七十二候をおいかけて

日本の四季をさらに細かく区切った七十二侯。ひとつずつ知っていきたいと思います。

夢についてのあれやこれや【菜虫蝶と化す】

啓蟄 3月16日~3月20日
◆末侯:菜虫蝶と化す(なむしちょうとかす)
◆侯の草花:かたばみ
小さくてかわいい黄色の花が特徴ですが、家紋にも使われることがあるくらい古くからある花です。夜になると葉が閉じて眠る姿が葉の片方が欠けているように見えるから「かたばみ」というのだそう。こういう夜だけ、朝だけ、というような現象とてもすきです。
◆侯のことば:夢虫
昔の人は蝶のことを「夢虫」や「夢見鶏」と呼んでいたんだそう。なぜそんな風に読んでいたかというと、中国の思想家「荘子」の説話「胡蝶の夢」が由来。蝶になる夢を見たけれど、本当のわたしは蝶で、いま人間になっている夢を見ているだけではないか…という話です。確かに蝶というとあの世でもよくひらひらとしているイメージ。

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夢についてのあれやこれや

蝶が「夢虫」と呼ばれていたということ。

わたしは今回初めて知ったのですが、「夢」に関する話ならもうたくさん語り合いたいことがありまして。

今回の夢は将来的な自分に関する云々ではなく、文字通り夢についてです。

みなさんは夢を見ますか?

どれくらいの頻度で見ますか?

どれくらい覚えていますか?

その夢を覚えていますか?

夢というのはレム睡眠という、眠りの浅いときに見るものだそうで、覚えているかどうかは人によってまちまちですが全ての人が見ているそうですね。

わたしは比較的夢についてはフルカラーで覚えているほうでして、小さいころから何度も見ているものもあれば、続きものもあるし、夢のなかで「ああ夢だなあ」と自覚しながら遊ぶこともあります。

あんまりにも続いた夢は「これは大作だ」と張り切って小学校のときに物語にまとめてコンテストに出したこともありました。

嫌な夢もたくさん見るし、自分の悲鳴で起きるなんてこともざらですが、夢のなかでしか出来ないこともたくさんあったし、眠ることって生きていくうえで絶対に欠かせない要素なので、そうしたらもう夢は毎日見てしまうので、出来るだけ楽しんでいたいなあとは思っています。

 

「夢占い」をしたことはないけれど、夢については一時期凝っていろいろと調べていた時期もありました。

夢は過去に起きたことは知識を断片的に切り取ってそれを頭のなかでなんとなくつなげてストーリーにしているのだとか。なので、まったく知らないことは恐らく夢には出ないのでしょう。空を飛んだりするのもジェットコースターなんかで感じるあのふわっと感を覚えているから出来るそうです。

 

わたしがもう何年も前から気になっていて、まだ試せていないのが「食べるとおかしな夢を見る」と言われているスティルトンチーズです。

ブルーチーズの一種なんですが、寝る前に食べると奇妙な夢をみる確率が高いと実験結果も出ているのです。

やりたい、やりたいと思い続けて5年くらい経っている気がするので今年こそは誰かを道連れにしてやってやろうと思います。

 

そして、夢についてはわたしがとびきりだいすきな作家さんのとびきりだいすきな言葉があります。

江戸川乱歩大先生の名言
『うつし世は夢 夜の夢こそまこと』

内容も字面も美しすぎてたまりません。

日本における推理小説の基礎を作りあげた方ですが、ちょっとひやりとするような幻想的な話もたくさん作った方なので初めてこの言葉を聞いたときはもうさすがだな、と。

乱歩先生の小説の良さのすべてがこの言葉に詰まっている気がしませんか。

今日はこの言葉を抱いて眠りにつきたいと思います。